既存事業でも技術で変革？！
新しい技術がもたらす「新規参入」のチャンス
既存市場に切り込む勇気
「新規参入」という言葉を聞くと、多くの人は“厳しい戦い”を思い浮かべます。特に、既に強力なプレイヤーがひしめく分野に挑む場合はなおさらです。しかし、一歩引いてみると、新規参入には“既存の制約に縛られない”という大きな利点があります。古い仕組みや慣習を引きずらず、最新技術を最初から取り入れた設計ができるのです。
楽天モバイルの挑戦：通信の常識を覆す
携帯通信の世界で新規参入を果たした楽天モバイルは、その典型例です。既存の通信キャリアが長年使ってきた専用ハードウェア中心のネットワークとは異なり、楽天モバイルはクラウドベース・仮想化技術を導入した柔軟なネットワークを構築しました。これにより専用機器への依存を減らし、標準化された機器で構築・運用コストを抑えることができたのです。さらに、3Gのような旧方式をあえてサポートしないことで、帯域を効率的に使う“次世代型”の通信インフラを実現しています。[1]
加えて、楽天モバイルの子会社「楽天シンフォニー」は、この完全仮想化ネットワークのノウハウを世界に展開。通信インフラを海外キャリア向けに提供するという、通信業界の中でも先行的なモデルを打ち出しました。新規参入をきっかけに、新しいビジネスモデルが生まれた好例です。[2]
てんやの価格破壊：職人技を誰でも
通信のようなハイテク分野だけでなく、日常の食の世界にも“技術による新規参入の成功例”があります。天丼チェーンの「てんや」は、独自開発の“オートフライヤー”を導入することで、調理の自動化を実現しました。[3][4]
かつて天ぷらは“職人の技”が求められる高級料理でしたが、てんやはその常識を変えました。自動温度制御によって、誰でも最適な時間と温度でエビや野菜を揚げられるようにしたのです。その結果、天ぷらの「高価な料理」というイメージを覆し、ワンコインで食べられる手軽な天丼を提供することが可能になりました。
技術が変える「ありえなかった」構造
この2つの事例に共通しているのは、「既存の強者が持っていた構造的な制約を、技術で飛び越えた」という点です。楽天モバイルは、クラウドと仮想化で通信の“専用機器主義”を壊し、てんやはフライヤーの自動化で“職人依存”をなくしました。
新たな技術が次々と登場する今、業界を問わずこうした変化はますます加速していくでしょう。むしろ、こうした変化の中にこそ、新規参入のチャンスが潜んでいるのです。
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Author: Tuta | Published on: 2025年10月21日