特許の公開と登録? 何が違う?
公開公報と登録公報の違い
特許を調べていると、「公開公報」と「登録公報」など、似ているようでまったく別の文書が出てきます。
これが分かると、発明の“今の状態”や“権利の有無”もすぐ見抜けます。
公開公報(公開特許公報)とは?
- 特許出願後 1年半(1年6ヶ月)で特許庁から発行される資料です
- 審査前の発明内容が掲載されていて、まだ「特許権」にはなっていません
- 「特開2023-123456」などという形式の番号で公開されます
- 発明の“中身全体”が世の中に公開されることで、新しい技術の情報共有が進みます
登録公報(特許公報)とは?
- 特許庁の審査を通って 「特許として認められた発明」が記載されています
- 「特許第1234567号」などの形式で登録されて番号が付けられます
- 発明の権利範囲(特許請求の範囲/クレーム)が明確になって掲載されている
- 「権利をもつ発明」の証拠そのもの。審査によって、公開公報よりも狭く厳密な範囲になることが多いです
特許の権利の記載場所
- 登録公報の「特許請求の範囲」セクションに、実際の権利が記載されています
- 公開公報の「特許請求の範囲」は“案”ですが、登録公報(正式な特許公報/B2)のものが実際の権利範囲です
見分け方・使い分け
- 公開公報は「未審査」の発明情報が公開されたもの(特開番号)
- 登録公報は「審査済み、正式に特許となったもの」(特許番号)
- 商品や技術のセールストークでは、「特許出願済です」=公開公報段階、「特許登録済です」=登録公報段階、と区別しましょう
豆知識
公開公報で一度公開された発明でも、審査を通らなければ特許権は生まれません。
逆に登録公報になっている発明でも、年金(維持費)を払わないと権利が消滅する場合があります。
参考URL
- 公開特許と登録特許の違いについて(パテントボックス)
- 公開特許公報・特許公報とは?小学生にもわかる違い(IPルーム)
- 特許の公開とは?登録とはどう違う?(とっきょラボ)
- 公開公報と登録公報のどちらをスクリーニングすべきか?(IPサーチャー)
- 特許公報について | INPIT熊本県知財総合支援窓口
- 特許公報とは(AIGI特許事務所)
- 特許の公開制度 ~公開公報と特許公報(きのか特許事務所)
- 特許情報の種類(JPDS)
- 公報に関して:よくあるご質問(特許庁)
- 特許公報とは(知財事務所ジエン)
Author: Tuta | Published on: 2025年09月05日