新規事業のもたらす効果
なぜ新規事業は重要なのか?
売上向上以上に、人と組織の成長が鍵
「新しい事業を立ち上げる」と聞くと、多くの人が「売上を増やすため」や「市場を拡大するため」といった、いわゆる事業的な成果を思い浮かべるでしょう。もちろんそれは大正解。でも、実はもう一つ、新規事業が持つ、もっと根源的で、未来の企業を形作る上で欠かせない大切な役割があるんです。
それは、「人や組織の成長」。
目の前の壁を乗り越えるたびに強くなる
新規事業は未知への挑戦。技術の実現性、市場の反応、PR方法など、すべてが初めての連続です。これらの壁を「どうしようもない状況」から「なんとかする」という経験を通じて、人や組織は劇的に成長します。
成功体験が自信となり、未来を切り拓く
Google の共同創業者ラリー・ペイジは、若い頃の経験が少ないゆえに「常識にとらわれず挑戦できた」と述べています。経験のなさが逆に新たな挑戦を可能にし、それが成功体験となったことが成長につながったのです。
「経験がないのには、プラスとマイナスがある。…予備知識がなかったから、これまでと違うやり方を試すことに抵抗がなかったんだ」(PHP人材開発 / PHP研究所)
また彼は、他の誰もが「そんなバカなことはできない」と思うようなアイデアほど競争相手がいなく、有利であると語っています(Forbes JAPAN)。
こうした挑戦と成功体験は、組織に「次もできるはず」というポジティブなマインドを根付かせ、挑戦を恐れない文化を育てます。
企業の「対応力」をアップデートする
トヨタ自動車は、これまで慎重とされたEV(電気自動車)開発に積極的に舵を切り、新体制での電動化戦略を強力に進めています。これには変化を捉えて柔軟に対応する組織づくりが不可欠です。
- 2023年4月、新体制で「2026年までに10モデルのEVを投入し、年間150万台を販売する計画」を発表(EVsmartブログ)。
- また「BEV(バッテリーEV)専任組織『BEVファクトリー』を発足し、意思決定の迅速化・開発プロセスの革新」を進めている点も重要です(トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト)。
- これはトヨタが市場の変化をただ追うだけでなく、自らを変革する「対応できる組織」に進化させている証と言えるでしょう(SMDAM)。
このような柔軟かつ迅速な対応力こそ、未来の不確実性に耐えうる体質をつくり上げます。
まとめ
個人・組織の成長 : 新しい壁に挑戦し、困難を乗り越える経験が成功体験となり、力と自信を養う。
挑戦の文化 : 「できないことに挑む姿勢」が組織文化となり、次なる未知へのチャレンジを呼ぶ。
適応力強化 : 新規事業への挑戦には、変化への柔軟な対応・意思決定・組織構造の改革が不可欠。
参考資料
- ラリー・ペイジが「経験がないからこそ常識にとらわれず挑戦できた」と語るインタビュー記事(PHP人材開発 / PHP研究所)
- ペイジが「誰もがバカにするようなことほど競争相手がいない」と考えたという発言(Forbes JAPAN)
- トヨタが2026年までに10モデルのEVを投入し、年間150万台販売の計画(EVsmartブログ)
- EV専任組織「BEVファクトリー」の設立と意思決定体制の革新(トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト)
- トヨタが変化に柔軟に対応し、現実主義でEVシフトを加速させているとする分析(SMDAM)
Author: Tuta | Published on: 2025年09月10日