Tutaの新規事業ブログ

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なぜ新規事業はデジタルと相性がいいのか?

なぜ新規事業はデジタルと相性がいいのか?――進化と挑戦のストーリー


1. 半導体の驚異的な進化と背景

新規事業にデジタル技術が欠かせない理由は、その**「進化スピード」**にあります。
半導体の集積回路(CPU、メモリ)は「ムーアの法則」という経験則に基づき、約2年ごとにトランジスタ数が倍増し続けてきました。

  • 1995年のCPUと比べて2025年の最新半導体は、並列処理能力・クロック数・ビット数のすべてで飛躍的に向上。
  • 理論的な演算能力は1000倍以上に到達。
  • FinFET(フィン型トランジスタ)、EUVリソグラフィ(極端紫外線露光)、GAAFET(全周ゲート型FET)、3D NANDといった革新技術が、物理限界を次々突破。

Intel・TSMC・Samsungといった先端企業が、これを研究室レベルに留めず実用化し、IoT/AI社会のインフラを支えています。

エピソード:30年の進化曲線

ムーアの法則は、当初は単なるグラフ上の予測でした。しかし1975年以降もほぼ正確に2年ごとの倍増を続け、電子機器の性能向上と低価格化を牽引しました。科学者が「原子レベルで限界」と口にするまで、技術者たちは限界突破を繰り返してきたのです。


2. 劇的なコストダウンと社会変革

進化とともに価格は劇的に低下しました。

  • 2000年を基準にしたPC価格指数は、2010年代には1/6~1/7まで下落。
  • かつて10万円以上必要だった性能が、今では数万円以下で手に入る。

「高性能=高価」という常識は崩壊し、個人や中小企業もクラウドやIoTを自由に活用できる時代に。
新規事業にとって、これは**「参入障壁の崩壊」**を意味します。

エピソード:現場での挑戦

昔、集積回路は軍事や研究用が中心で、民生機器はディスクリート部品中心でした。しかし、半導体の低価格化に乗った企業が次々に民生市場へ参入し、新しい産業の標準を作り上げました。


3. 新しいことに挑戦できる「土俵」が急拡大

クラウドとサブスクの普及は、システム投資を「所有」から「利用」へと転換しました。
今ではスタートアップや個人でも、思いついたアイデアを即座に試すことが可能です。

  • ノーコードやAI開発基盤の登場で、非エンジニアでもサービスを生み出せる。
  • 中小企業が新規事業に挑戦する環境が整い、「実験コストの低下」が進んでいます。

エピソード:ノーコードとAI事業創出

  • LIXIL:IoT/AIを活用した新型トイレ・モニタリングを短期間で事業化。社員がノーコード開発でアプリを量産し、働き方を変革。
  • 双日:AIを使った水産物の自動カウントや農業DXプラットフォームを展開。従来とは異なる分野で次々と新規事業を実現。

4. 進化は今も続く

半導体の進化は止まりません。

  • AI半導体、量子技術、3D積層チップ、異種集積(チップレット)が登場。
  • 「より小さく・速く」から「より賢く・効率的に」への転換期。

エピソード:未来への投資

AI半導体市場は2030年までに10倍規模へ拡大する予測もあり、国家の競争力を左右する「戦略資源」となっています。
スタートアップも大企業も、この流れを無視できません。


まとめ

  • デジタルは最も進化し、最もコストが下がった分野
  • 昔は夢物語だったアイデアが、今では現実的な事業に変わる。
  • 「新しい土俵」で勝負できるからこそ、ライバルが少なく、成功確率が高まる。

これが、新規事業とデジタルが相性抜群である理由です。


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Author: Tuta | Published on: 2025年09月24日