Tutaの新規事業ブログ

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新規事業でのマネージャーの役割

新規事業のタネを育てるマネージャーの役割

新規事業って、よく「千三つ(せんみつ)」なんて言われますよね。1000件に3件しか成功しない、という意味ですが、さすがにそこまで絶望的ではないにしても、スタートアップの失敗率が90%なんていうデータもあるくらい、成功させるのは至難の業です。

だからこそ、新規事業を立ち上げようとするチームや担当者をサポートするマネージャーの役割は、すごく重要になってきます。応援したい気持ちは山々だけど、正直「これはさすがに無理でしょ…」と思うアイデアに出会うこともあるでしょう。

でも、ちょっと待ってほしいんです。


ダメ出しは厳禁!「アクセルを踏む」勇気

新規事業のアイデアって、最初から完璧なものなんて存在しません。むしろ、最初は誰もが「え、それどうなの?」と首をかしげるような、未熟なものが多いんです。

私が知っているある事業は、当初「そんなニッチな市場、誰が使うの?」と言われていました。でも、担当者はひるまず、まずは小さく、顧客になりそうな人たちに話を聞きに行きました。すると、意外にも多くの人が「そういうサービス、欲しかった!」と熱烈に歓迎してくれたんです。

これは、実際にあったお話です。2014年に事業が始まったメルカリ。フリマアプリのビジネスモデルは、当時すでに他社も手掛けていました。だから、決して新しいアイデアではなかったんです。それでもメルカリは、ユーザーのスマホでサクッと出品できるという点に徹底的にこだわり、顧客の声を反映させて改善を繰り返しました。その結果、他社とは一線を画す圧倒的な成長を遂げたのです。

ここで大事なのは、マネージャーが初見で「ダメだ」と判断して潰してしまうのではなく、「とりあえず顧客に聞いてみよう」とアクセルを踏ませること。顧客という「生きた証拠」を集めることで、アイデアのどこがダメなのか、顧客像が間違っていたのか、といった具体的な課題が見えてきます。

「門前払い」よりも、はるかに多くの情報と学びが得られますし、何より担当者のモチベーションは格段に上がります。このプロセスこそが、次の挑戦へのエネルギーになるんです。


リソースの「線引き」で思考を加速させる

「よし、じゃあやってみて」と言われても、担当者は何をどこまでやっていいのかわかりませんよね。無限に時間や予算があるわけではないので、マネージャーは「この線まではやっていいよ」と、明確なリソースの線引きをしてあげる必要があります。

  • 1日1時間だけやるのか?
  • チームを組むのか?
  • 1ヶ月でどこまでやるのか?
  • 使える予算はゼロか、月10万円か?

この「線引き」があることで、担当者はその範囲内で何ができるかを真剣に考え始めます。

DeNAの『逆張りの経営戦略』でも紹介されていますが、同社は新規事業のアイデアを事業化する際、「まずは半年間で1億円の売上を目指す」といった明確なゴール設定をするそうです。これは、闇雲に進むのではなく、限られたリソースの中でどうすれば目標を達成できるかを思考させるための工夫です。

このリソースの「制約」が、逆に担当者の創造性を刺激し、アイデアを現実的な形に変えていくんです。そして、もしそのエリアを超えるような大きなリソースが必要になったら、それは担当者だけの問題ではなく、マネージャーが経営層へ働きかける役割になってきます。


担当者は「最初の共犯者」を求めている

私自身、初見では「何それ?それは無理だわ」と思ったアイデアが、結果的に大成功した事例をたくさん見てきました。そうした事業は、最初の段階で少しだけ後押ししてあげると、あとは驚くほどのスピードで自律的に成長していくものです。

事業を立ち上げる担当者は、最初の一歩を踏み出すときに、不安でいっぱいです。そんなときに、頭ごなしに否定するのではなく、「まずは一緒にやってみよう」と背中を押してくれる「最初の共犯者」を求めているのです。

新規事業を成功させる一番の近道は、担当者の情熱を信じ、最初の一歩を加速させること。ぜひ、あなたのチームのマネージャーは、そのための最高の協力者になってあげてください。


参考・引用URL

Author: Tuta | Published on: 2025年09月10日