新規事業 熱量が大事!

新規事業を動かす「やる気」とストーリー
一歩を踏み出した瞬間
これは私が実際に関わった、新規事業の立ち上げの話です。
家電メーカーでクラウド関連の開発を担当していた頃、ある日、Tさんという新しい課長がやってきました。彼はサービス業の出身で、開発経験よりも「ユーザーが喜ぶ仕組み」を作ることを得意とする人でした。ちょうど当時、私たちはロボット掃除機をクラウドに繋げて天気予報などをしゃべらせるという試作を作っていました。Tさんはそれを見て、「これ、アニメ声で話したらどうか」と言い出したのです。 彼は、家に帰ると「いもうと」のロボット掃除機が迎えてくれるようにするんだと。
正直、普通の会社なら多くの人は「面白いね」と言うだけで自分事としては動かない。それは新しいことをやると責任が重くなるし、成果も見えづらい。管理職も「そんなの役に立たない」と一蹴するケースが多いのです。でも私は「やってみよう」と言いました。
熱量が空気を変える
そこからのTさんの行動力はすさまじいものでした。本屋に行って女性向けマンガを200冊読み込み、自社製品のキャラクター性を表現するために一人の作家を見つけ出します。地方に会いにいき直接連絡し、絵を使わせてほしいと交渉。作家さんは書下ろしのいもうとキャラを書いてくれました。さらには事業部長のもとへ行き、「この掃除機をネット販売の200台だけ作らせてください」と直談判。このスピード感と熱意に、部長も「おもしろい、やってみろ」と快諾しました。
普通の家電製品は1万台単位で設計します。200台なんて採算が取れません。でもその「非常識」を進めた瞬間、社内の雰囲気は変わりました。
協力は「想い」から生まれる
声優プロダクションに飛び込みで交渉したTさんは、「高校生の新人声優さんならいいですよ」という話をもぎ取り、さらにオリジナルの音楽まで作ってもらいました。開発チームも全力で支え、ついにネット販売が実現。発表イベントでのその商品を待ちわびる声の大きさで、明らかに社内の人たちの心の中で何かが音を立てて変わった瞬間でした。
この経験を通じて分かったのは、「新規事業の最大の壁は仕組みではなく温度差」だということ。データ分析や市場調査も大切ですが、最初に必要なのは「やってみたい!」という熱です。それが人を巻き込み、プロジェクトを息づかせるのだと思います。
この話はまだ続きがあります。こうやって家電メーカーとしては売上にはほとんど貢献がゼロというこの商品化ですが、これを見て、家電の事業部が興味を持ちます。その後は、調理家電を始め、いろいろな商品がクラウドとつながり対話を行う機能を搭載し、その事業会社の主力商品に育っています。
他社の物語から見えるもの
日本郵政がスタートアップ企業Yperと組んで開発した「置き配バッグOKIPPA」も同じような発想から生まれました。現場の課題感から動き、再配達率を約61%削減するという実績を生み出したのです(Sevendex, 2025年9月)https://sevendex.com/post/35517/。
また、LIXILも社員が自主的にアイデアを出してIoTトイレ「LIXIL Toilet Cloud」を開発。DX推進が全社的な新規ビジネスの源泉となりました(Help-You, 2025年6月)https://help-you.me/blog/dx-japanese-cases/。
一方、京都の宇治茶農家がクラウドファンディングでブランドを立ち上げた「井戸乃井」も、既存業界の常識に風を吹き込んだ好例です(CFニュース, 2025年6月)https://cfnews.jp/crowdfunding-success-stories-by-industry/。
最後に
新規事業に必要なのは、綿密な計画や完璧なプレゼンではなく、誰かが立ち上がる瞬間の「情熱」なのかもしれません。あの時の「おもしろいからやろか」という一言が、組織を動かし、未来を変えるきっかけになる。
技術も資金も大切だけど、最初のひと押しは“気持ちの熱”なのです。
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熱量が大事、と言っても、やはり最初は、どの顧客に、どういう特徴の商品を出すのか? という基本アイデアが必要になります。この事業企画まとめは、対象ユーザ、商品特長、競合分析、チャネル分析などを検討しなければならず、単なるアイデアだけでは事業企画になりません。
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Author: Tuta | Published on: 2025年10月17日